2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17651115
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
門出 健次 北海道大学, 大学院先端生命科学研究院, 助教授 (40210207)
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Keywords | 化合物ライブラリー / 北方圏自生植物 / 機能性物質 / つり上げ / フルオラス |
Research Abstract |
天然物からの機能性物質選択的「つり上げ」のツールとして、近年、進歩の著しいフルオラス化学に着目した。フルオラス化合物とは高度にフッ素化された炭素鎖の総称であり、水や一般的な有機溶媒に不溶であり、高度にフッ素化されたフルオラス溶媒(例えば、過フルオロメチルシクロヘキサン等)にのみに可溶である化合物群である。昨年度の実験から本フルオラス化合物が有用であることが判明したので、本年度は、この想定外のアイデアを拡張し、機能性物質「つり上げ」タグとしての利用を積極的に展開させることとした。機能としては、まず第一例として、糖鎖を選択的につりあげることに注目した。糖鎖の官能基類似体であるアルデヒドをもつ分子の設計と合成を引き続き行った。フルオラス分子設計の詳細な検討(フッ化炭素鎖の炭素数等)を行うと同時に、効率的な抽出条件の検討を行った。市販のフルオラス分子を出発原料とする効率的な合成ルートを種々検討した結果、有用かつ簡便な合成ルートの確立に成功した。本法により、今後、さまざまなフルオラス分子の合成が可能となった。 次に、機能性分子の抽出条件の検討を行った。有機溶媒としてはメタノールが適当であることを見出し、また、フルオラス溶媒による抽出の際、有機溶媒-フルオラス溶媒に対しての両親媒分子を添加することにより、フルオラスに結合した分子が極めて効率よくつり上げられることを発見した。更に、北方圏自生植物抽出物ライブラリーの一部をメタノール溶液群として、つりあげ用実験用に調整した。試験的に、フルオラス分子によるつり上げ実験を行い、前述のライブラリー中に有望な分子が存在することを発見した。
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