2005 Fiscal Year Annual Research Report
電子顕微鏡観察用プローブを用いた生理活性物質受容体の細胞内局在性に関する研究
Project/Area Number |
17651116
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上田 実 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60265931)
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Keywords | 覚醒物質 / イソレスペデジン酸カリウム / 電子顕微鏡 / EMプローブ / 原形質膜 / 受容体 |
Research Abstract |
本年度の研究では、電子顕微鏡観察用EMプローブの開発と活性物質作用部位のナノメートルスケール精密解析について報告する。 覚醒物質イソレスペデジン酸カリウムを基盤として、光親和性基ベンゾフェノンおよび抗原となるFITCを導入した電子顕微鏡観察用プローブ(EMプローブ)を開発した。EMプローブ分子中には、光親和性基ベンゾフェノンの光励起によって影響を受けないFITC基を抗原として導入した。FITC基は天然には存在しないため、ナノゴールド結合-抗FITC抗体によるプローブの認識には高い特異性が期待できる。また、植物切片への抗体の浸透性を向上させるため、抗FITC抗体のFab'フラグメントを調整し、これにマレイイミド型ナノゴールド粒子を結合させることでで、比較的サイズの小さなナノゴールド結合-抗FITC抗体を調整して実験に供した。これを用いて、プローブを用いた光ラベル化、および切片調整の条件を各種検討した。その結果、すでに同定に成功した活性物質受容体(210&180kDa)が、運動細胞原形質膜状に存在することをナノメートルスケールで直接観察することに成功した。EMプローブは、大過剰の天然物存在下での競争的阻害実験において受容体と結合しないことから、受容体による構造認識が見られていることが確認された。しかし、細胞原形質膜と対を成す液胞膜との対比、活性を持たない非活性型プローブを用いたコントロール実験などに課題を残した。
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Research Products
(6 results)