2005 Fiscal Year Annual Research Report
抗体磁気ビーズを用いた内在性微量タンパク質複合体プロテオミクス法の開発
Project/Area Number |
17651118
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浜窪 隆雄 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (90198797)
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Keywords | 核内受容体 / 磁性ビーズ / プロテオミクス / 転写複合体 / HNF4α |
Research Abstract |
バキュロウイルスに発現させたHNF4αを用いてマウスに免疫し、得られたモノクローナル抗体のクローンから、GSTフユージョンHNF4α部分ペプチドを用いて、BIACOA測定により、Kd10^<-9>M付近の高い親和性を持つクローンを数種類作製した。これらの抗体を産生するハイブリドーマの無血清培養上清より抗体をプロテインGカラムにて精製し、磁性ビーズに固定化した。HNF4αは肝臓由来のHepG2細胞や小腸由来のCaCo2細胞に分布することから、これらの細胞の破砕液あるいは核抽出液を抗体ビーズと反応させ、洗浄したのちSDSPAGEゲル電気泳動にて解析した。その結果、市販のプロテインGビーズを用いた免疫沈降サンプルではシングルタンパク質バンドが同定されなかったが、磁性ビーズによるサンプルでは数10本のバンドがサイプロルビー染色で同定され、混入する抗体分子を除いたバンドについて、ゲル切り出しMS同定を行なったところ、HNF4αおよびHNF4γが同定され、さらに数種類のタンパク質が同定された。このサンプルは培養ディッシュ2枚分の細胞から調整されたものであり、効率よく転写因子複合体を回収できたと考えられる。さらにHNF4αとHNF4γの強制発現系を用いてこれらのタンパク質が複合体を形成することを確認した。内在性タンパク質についても、HNF4γに対する特異抗体を作製し、HNF4αと共沈することを確認した。 さらに感度をあげ、複合体タンパク質の同定精度を高めるため、抗体磁性ビーズに回収された複合体サンプルから酸抽出により複合体を分離し、トリプシン処理を行なってショットガンLC-MSMSで断片を検出する方法を行い、上記サンプルより同様にHNF4α、γを同定し、また核内受容体のコファクターとして報告されているタンパク質数種類、クロマチンリモデリングに関与するタンパク質数種類、スプライシングに関与するタンパク質数種類を同定した。
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