2005 Fiscal Year Annual Research Report
膜透過型細胞内ループを用いたGPCRのGタンパク質活性化機構解明
Project/Area Number |
17651125
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松崎 勝巳 京都大学, 薬学研究科, 教授 (00201773)
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Keywords | GPCR / 細胞内ループ / 膜透過性 / アルキル化 / 抗菌性ペプチド / 膜透過ペプチド |
Research Abstract |
マウスプロスタグランジンEP3β受容体(mEP3β)の第1〜第3細胞内ループ(i1〜i3)およびC末端尾部のペプチドを膜透過型に改変することによって、Gタンパク質の直接活性化を試みた。まず、これら4種のペプチドをFmoc固相法で合成し、膜透過性向上が期待される、N末端のパルミトイル化とTat配列付加を行った。これらペプチドをmEP3β発現CHO細胞に加え、スルプロストーンによる細胞内cAMP量の増加に対する抑制活性を評価したが、10μM以下の濃度では、抑制活性が観測されなかった。次に、ペプチドが細胞内へ取り込まれるのか否かを確認するため、i1を蛍光色素NBDでラベルし、細胞内局在を共焦点レーザー顕微鏡で調べたところ、細胞膜への分配が観測されたが、分配量は小さかった。そこで、膜にポアを開けることが知られているマガイニン2を同時に投与したところ、細胞膜分配量は増大した。マガイニン2自体はスルプロストーンによる細胞内cAMP量の増加に影響を与えないことを確認したので、今後、マガイニン2同時投与法について検討を行う。また、マガイニン2とループペプチドを化学結合させる方法についても基礎検討を行った。マガイニン2のN末端に分子量約5000のポリエチレングリコール(PEG)をペプチドモデルとして結合させたPEG-マガイニン2を合成した。NBDラベルした多重層リポソームとジチオナイトを用いた実験から、PEG-マガイニン2もマガイニン2同様、膜透過性を有していることが明らかとなった。今後、ループペプチドを結合させたマガイニン2を合成して、活性評価を行う予定である。
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