2005 Fiscal Year Annual Research Report
植物エストロゲンの心不全病態に対する性差別的防御機構の解明
Project/Area Number |
17651136
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 京子 大阪大学, 薬学研究科, 助手 (00140400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 純一 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (30144463)
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Keywords | ジェンダー / 和漢薬 / 循環器疾患 / 腸内細菌 |
Research Abstract |
【目標】本研究は、疫学的研究で心疾患への有効性が示唆されているリグナン由来植物エストロゲン(女性ホルモン様作用物質)を用い、心血管系疾患予防効果の科学的評価を目指した。特に生命予後の悪い心不全はあらゆる心臓病の終末像であることから、多様な心不全前駆病態モデルを用いたスクリーニングによる有効性の検討を行うため、複数の評価系構築と改良を行った。一方、経口摂取された植物リグナン類は消化管内に常在する腸内フローラで代謝後、腸管を経て血中に移行することから、生薬成分の体内動態を視野にいれた代謝物の作製を行った。 【成果1】ラット新生児心臓から、2種の心臓由来培養細胞(心筋、線維芽様細胞)を調製した。病態モデルとして、従来の液性因子(Angiotensin II:AII)誘発心筋肥大や線維芽様細胞増殖、心筋アポトーシスに加え、新たに心筋細胞配列構造の破綻モデルを作製した。心筋の配列構造は介在板と呼ばれる特殊な心筋の細胞間構造を維持し、興奮-収縮機能の維持に必須である。本モデルは心臓環境要因であるストレッチ刺激を心筋細胞に負荷し配列細胞を作製したもので、配列構造が維持された心筋細胞では細胞長軸先端部にN-CadherinとConnexin(Cx)43とが局在し、介在板構造をとる事を示唆した。これらの異常が心不全の発症・悪化の原因として注目されており、本モデルは配列・極性ならびにCx43局在メカニズムの検討を可能にした。 【成果2】植物リグナン類は豊富に含有する牛蒡子の抽出液をヒト腸内細菌で代謝後、抽出・単離し、MS、NMRにより構造決定した2,3-bis(3-hydroxybenzyl)-γ-butyrolactone(Enterolactone:ENL)を作製した。健常人ボランティアによる牛蒡子濃縮エキス服用試験からLC/MS/MSで血中・尿中でのENLの存在を確認した。ENLの体内動態解析から細胞系での検討濃度を10^<-6>以下に設定した。 【成果3】心筋細胞の拍動能を機能評価指標とした。生理的培養条件下、ENL10^<-6>Mによる形態異常や拍動停止は添加72h以内では認められず、良好な拍動状態を維持した。線維芽様細胞をENL10^<-6>M処置することでAII(10^<-9>M)誘発による細胞増殖に抵抗性が認められた。
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[Journal Article] N-cadherin-mediated cell adhesion determines the plasticity for cell alignment in response to mechanical stretch in cultured cardiomyocytes2005
Author(s)
Matsuda, T., Takahashi K., Nariai, T., Ito, T., Takatani, T., Fujio, Y., Azuma, J.
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Journal Title
Biochem.Biophys.Res.Commun. 326
Pages: 228-232