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2006 Fiscal Year Annual Research Report

仏教における空間表象の比較研究

Research Project

Project/Area Number 17652006
Research InstitutionKanazawa University

Principal Investigator

森 雅秀  金沢大学, 文学部, 助教授 (90230078)

Keywords空間論 / 宗教実践 / 遠近法 / マンダラ / 死生観 / 来世 / 密教 / 浄土思想
Research Abstract

仏教における空間表象の比較研究のための素材として、マンダラを取り上げ、重点的に研究を行った。とくに、インドにおける成立と機能をふまえ、日本における伝播と変容を明らかにすることで、日本とインドの空間のとらえ方や来世観、他界観の相違を解明した。その要点をまとめると、(1)インド密教のマンダラは経典に説かれるシステムを前提としているのに対して、日本に流布したマンダラの多くは、このようなシステムを必要としていないこと、(2)日本人にとって、世界を表現する場合、何らかのシステムや原理から出発するという発想がなかったこと、そして(3)日本においては「世界」がシステムによって構築されるかわりに、われわれ自身が住む現実の世界や、それをふくむ輪廻の世界が登場したことである。さらに、世界をわれわれの生まれ変わる輪廻の世界と見なすことからは、そこからどのように救済されるかという問題が、日本ではマンダラに込められることになることも指摘した。これらをさらに簡単なフレーズでまとめると、日本におけるマンダラの展開は「抽象的な原理から具体的な空間へ」「神の視点から人間の視点へ」「悟りの世界図から救済の道筋へ」となる(くわしくは「日本人はマンダラをどのように見てきたか」『点から線へ』参照)。
このほか、インドのエローラ石窟を取り上げ、その尊像配置のプログラムが、従来言われているように、密教のマンダラを背景とするのではな-く、大乗経典、とくに『無辺門陀羅尼経』と密接な関わりがあり、大乗仏教の神変の様子を具象化した可能性が高いことを明らかにした(「エローラ第11、12窟の菩薩群像」『金沢大学文学部研究論集 行動科学・哲学篇』)。

  • Research Products

    (6 results)

All 2007 2006

All Journal Article (3 results) Book (3 results)

  • [Journal Article] エローラ第11、12窟の菩薩群像2007

    • Author(s)
      森雅秀
    • Journal Title

      金沢大学文学部研究論集 行動科学・哲学篇 27

      Pages: 99-134

  • [Journal Article] 日本人はマンダラをどのように見てきたか2007

    • Author(s)
      森雅秀
    • Journal Title

      点から線へ 51

      Pages: 25

  • [Journal Article] マンダラを問い直す2006

    • Author(s)
      森雅秀
    • Journal Title

      へんじょう 20

      Pages: 5-6

  • [Book] 仏のイメージを読む:マンダラと浄土の仏たち2006

    • Author(s)
      森雅秀
    • Total Pages
      274
    • Publisher
      大法輪閣
  • [Book] マンダラ 心と身体2006

    • Author(s)
      立川武蔵, 森雅秀他
    • Total Pages
      129
    • Publisher
      財団法人 千里文化財団
  • [Book] 真言密教の新たな展開(高野山大学選書第2巻)2006

    • Author(s)
      生井智紹, 森雅秀他
    • Total Pages
      159
    • Publisher
      小学館スクェア

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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