2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17652010
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
五十殿 利治 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (60177300)
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Keywords | 美術言説 / 英文版美術年鑑 / 英字新聞 |
Research Abstract |
日本における近代美術史を論じる場合、通例は日本語文献を前提としている。また日本紹介の外国文献もしばしば貴重な史料となっている。しかし、国内における持続的な美術専門誌や美術ジャーナリズムにおいて外国語文献は無視されている場合が多い。その点で、対外的な美術情報の発信ソースとして、国際連盟が唱えられた時代において国際連盟学術協力委員会が中心になって発行した英文版日本美術年鑑Yearbook of Japanese Art、そして英字新聞として刊行されていたThe Japan Timesの存在を抜きにして1920年代後半から1930年代初めにおける日本近代美術史を考察することはできないと考えられる。 本年度の研究は、基本的な資料の収集に重点を置いた。まず英字新聞The Japan Timesについては1920年以降の紙面について悉皆調査を開始した。まだこの時代においては、どうしても帝国美術院展、二科展、日本美術院展など大規模な展覧会が開催される秋の美術シーズンに記事が集中するようであるが、アメリカ留学経験のある美術ジャーナリストである税所篤二が入社するので、紙面の変化が予想される。また、英文版日本美術年鑑については、かねて入手してあった版のほかに、最初に発行された1927年版をコピーにより入手できた。 研究交流についていえば、ロンドン芸術大学上級研究員菊地裕子氏、シドニー大学教授ジョン・クラーク氏と、このような美術言説のあり方について意見を交換するとともに、今後の共同研究の方向性について可能性を探った。
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