2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17652023
|
Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
小野 恭靖 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (50194600)
|
Keywords | ことば遊び / 判じ物 / 「物尽くし判じ物」 / 漢字遊び / 嘘字 / 鈍字 / 『浪花みやげ』 / 歌謡 |
Research Abstract |
本研究は日本語のことば遊びを史的に位置付けるために、主として江戸時代終わりまでに書写された写本、また江戸時代終わりまでに出版された版本の調査を行い、その中に見られることば遊びの諸相を発掘し、分析することを志したものである。 本年は当該研究の初年度として二つの方向から研究の可能性を探って行った。まず第一として、ことば遊びに直接かかわる写本、版本といった文献資料の調査及び検討を行った。具体的には大阪府立中之島図書館、大阪市立中央図書館、天理図書館等で調査を実施し、従来未紹介の貴重なことば遊び文献資料を収集することができた。次に第二の研究として、文学資料の中でもことば遊びが頻出し、それ自体が表現技巧のひとつとなっている歌謡文学に注目し、歌謡文学作品の中のことば遊びの諸相を分析する研究を推進した。具体的には大阪教育大学附属図書館、大阪府立中央図書館、京都府立総合資料館等で歌謡にかかわる資料を閲覧し、作品内のことば遊びの諸相を整理分類することができた。 一方、従来科学研究費補助金支給以前に調査を進めていたことば遊び関連文献資料について、一応のまとめを行っておくことにし、今年度内の2005年11月に『ことば遊びの世界』(新典社)を出版した。同書にはこれまで重点的な調査対象とした「判じ物」(主として「物尽くし判じ物」と称される一枚摺りの錦絵版画資料)と漢字遊びのうち「嘘字」と「鈍字」に力点を置いて、資料を紹介し、位置付けを行った。また、『浪花みやげ』と題された幕末の大坂の町で刊行された瓦版がこれば遊び資料として注目すべきことを同書の中で明らかにした。
|
Research Products
(6 results)