2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17652047
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松本 曜 神戸大学, 文学部, 教授 (40245303)
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Keywords | 反義性 / 認知意味論 / 方向性 / フレーム |
Research Abstract |
本年度は研究の初年度として、基本的な文献の検討、基礎資料の収集、理論的な考察に重きを置いた。文献の検討としては、Lyons, Murphy, Jonesらの反義性に関する議論(非認知意味論的な立場からのもの)を整理し、その問題点を探った。また、認知意味論的な立場から反義性の問題を扱っているCruse, Joostの論文を検討した。特にJoost氏とは韓国で行われた国際認知言語学会において議論をすることができた。 基礎資料としては、反義語辞典などの記述を検討しながら、英語の反義語のリストの作成を開始した。 また、関連する理論的な考察においては、反義性の問題を認知意味論的に扱う際には方向性という概念が重要であることが明らかになった。この方向性などの経路概念に関しては、関連する発表を関西言語学会のワークショップにおいて行った。また、反義語が持つ意味的な差に関しても重要な問題があることが明らかになった。たとえば、反義語は同じ意味的拡張に参加するわけではなく、メタファーの適用に関して「まだら現象」を見せる。これに関連する発表を、日本認知言語学会のシンポジウム(9月18日、お茶の水女子大)において行った(「概念メタファーと語彙レベルのメタファー研究」)。このほか、フレームという概念を用いて反義性を捉える可能性に関しては、「おはよう」「おやすみ」などのあいさつ表現との関連で考察を行い、近く論文を発表する予定である。
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Research Products
(1 results)