2005 Fiscal Year Annual Research Report
イギリス東インド会社とアジア・アフリカの邂逅をめぐる文化システムの研究
Project/Area Number |
17652069
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
野間 晴雄 関西大学, 文学部, 教授 (00131607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝治 啓三 関西大学, 文学部, 教授 (70151024)
北川 勝彦 関西大学, 経済学部, 教授 (50132329)
橋本 征治 関西大学, 文学部, 教授 (50067633)
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Keywords | イギリス東インド会社 / イギリス / 大航海時代 / 作物伝播 / アフリカ人 / インド / 港市 / 開国 |
Research Abstract |
経済史,社会史,歴史地理,文化地理,地図学の異なる分野からイギリス東インド会社を核とした文化交渉を総合的に究明することをめざした。イギリス東インド会社とはいかなる組織化であったかを浅田實氏(創価大学名誉教授)を招いて,話題提供していただき,全員で討論した。そののち,各人が分担分野の研究を実施した。以下が今年の分担者,研究協力者の成果である。 野間は全体を貫く「文化システム」を概念の検討と,イギリス東インド会社の拠点のデータベース作成を進行中である。また,インド最初の拠点であるスーラトを探査し,インド洋交易からマドラス,カルカッタヘの拠点シフトの意味を考察した。朝治は東インド会社が1670年代に対日貿易を再開しようとして、リターン号事件を国際商業競争の中での位置づけを行った。従来は日本の側からの研究のみであったのに新しい知見を示した。北川はイギリス東インド会社の喜望峰商館(ファクトリ)の記録(1773-1836年)を利用して著されたこれまでの諸研究のサーベイを試みた。ケープタウンにおけるイギリス系商人の初期の活動を研究するためにケープ文書館で商業会議所の初期の記録を調査した。橋本は大航海時代から19世紀にかけてのアジアにおける新大陸起源の農耕作物の導入・拡散について,東インド会社の拡大と絡めて考察した。とくに南米起源のサツマイモやアジアヘの導入について予察し,フィリピンと台湾での調査を行った。 このほか,3名の研究協力者の成果は以下のとおりである。三好唯義は神戸市立博物館で大航海時代の世界図を分担者と共同で熟覧した。寺尾直貴は大英帝国を築いたイギリス人のイギリス人概念(意識)を明らかにするために,中世イングランドにおけるイングランド人(イギリス人)意識の芽生えを考究した。Tran Anh Tuanと野間はフィリピンで棚田技術の起源と拡散,文化生態をイフガオ族を事例に調査した。
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Research Products
(8 results)