2005 Fiscal Year Annual Research Report
健康分野におけるソーシャル・キャピタル指標の開発とその予備的検討
Project/Area Number |
17653050
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
藤澤 由和 新潟医療福祉大学, 社会福祉学部, 講師 (70387330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱野 強 新潟医療福祉大学, 社会福祉学部, 助手 (80410257)
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Keywords | ソーシャル・キャピタル / 健康感 / 指標 |
Research Abstract |
ソーシャル・キャピタル概念への関心が様々な領域において高まってきているが、健康科学や公衆衛生学の分野においてもソーシャル・キャピタルと健康の関連性に対する関心が高まっている。しかしながら、わが国においては、多くの研究が理論的検討や事例の分析にとどまっており、本格的な実証的研究は未だ十分になされていないといえる。 そこで本研究一年目においては、健康分野におけるソーシャル・キャピタルの実証研究推進の基盤としての健康分野におけるソーシャル・キャピタル指標の検討とこれら指標の検討を行った。 先行研究のレビューから、多くの研究がパットナムなどの研究より理論的根拠を求めており、具体的な指標としては、信頼感に代表される価値観、参加に代表されるネットワーク、互酬性などに代表される規範などが用いられていることが明らかとなった。 また「暮らしと健康に関する全国調査」の調査データ(2004年4月実施)に含まれるソーシャル・キャピタル指標(Sense of mutual aid, Casual interaction with other)とSF-36の全体的健康観(General Health Perception)を用いて分析を試みた。その結果、Sense of mutual aidはGeneral Health Perceptionに影響を与えていることが示された。また、Casual interaction with otherに関してもGeneral Health Perceptionに影響を与えていることが示された。 本分析から健康に影響を及ぼすことが考えられる様々な社会的要因の中で、ソーシャル・キャピタルが健康感に影響を及ぼす可能性が示唆されたことは、非常に大きな意義があるものと考えられる。
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Research Products
(3 results)