2005 Fiscal Year Annual Research Report
死生学教育(デスエデュケーション)プログラムの開発と効果測定
Project/Area Number |
17653062
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
藤井 美和 関西学院大学, 社会学部, 助教授 (20330392)
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Keywords | 死生学教育 / Death Education / プログラム開発 / 効果測定 |
Research Abstract |
1.本年度の目的:初年度は、死生学教育プログラムの情報収集を行い、そのフレームワークを分析し、プログラムモデルを開発することを目的とした。具体的な情報収集は、Death & Dying、Death Educationのデータベース、Association for Death Education and Counseling(ADEC)とNational Center for Death Educationへの参加活動、さらに死生学教育のエキスパートDr.Charles CorrとDr.Stacy Orloff両氏へのインタビューとコンサルテーションから行った。 2.研究結果:死生学教育プログラム(Death Education Program)は、3つの側面からアプローチされている。1つ目は、人の生と死についてのミクロ的個別アプローチ(例えば、死にゆく人の心理、高齢者や子どもの死に対する態度等)、2つ目はメゾ・マクロ的アプローチ(生と死に関わる現場におけるケアや制度の視点、例えばターミナルケアやグリーフケア)、3つ目は、生と死そのものに関する倫理的アプローチ(倫理や価値観を問う安楽死、尊厳死、自殺、脳死臓器移植等)である。死生学教育においては、この3つの側面がバランスよく組み込まれる必要がある。当事者の感情論のみが議論の中心になることや、第3者的合理性からのみ議論を推し進めることを避け、ミクロからマクロ・倫理の側面が一つのプログラムの中に組み込まれることが必要である。死生学教育は、「答え」を提供するのでなく、なぜそう考えるのかという自分自身の価値観・人間観を掘り下げる機会を与えることが重要であり、そのため教育方法としても、理論的枠組みの理解に加え、歴史的理解、宗教的理解、当事者理解(ゲスト・参加)、体験的理解(ワークショップ)など多様な切り口でのアプローチが効果的である。 3.次年度以降の展開:次年度は開発された死生学プログラムを大学教育で実施し、効果測定に用いる尺度開発を行う。最終年度では、その尺を用いて効果測定を行う予定である。
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