2007 Fiscal Year Annual Research Report
地方都市における犯罪発生場面の生態学的心理学による調査研究
Project/Area Number |
17653068
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
細江 達郎 Iwate Prefectural University, 社会福祉学部, 教授 (70004059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横井 修一 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (00048802)
PRIMA Oky Dicky A 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 講師 (20344624)
細越 久美子 岩手県立大学, 社会福祉学部, 講師 (90311894)
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Keywords | 社会系心理学 / 環境分析 / 生態学的心理学 / GIS / 犯罪防止 |
Research Abstract |
盛岡市と周辺町村を対象とし、犯罪発生場面を物的・人的環境との動的関係から調査し、その発生抑制条件を明らかにした。そのことから地方における犯罪防止対策の基礎データを分析し、今後の研究の手がかりを提供した。本年度は具体的には以下について実施した。 (1)GISによる犯罪分析 窃盗犯とその地理的環境要因との関連分析を継続して行い、利用形態別の建物の割合と面積に基づいてクラスタ分析を行い、町丁目ごとに特徴を把握することが可能となった。その結果、対象地域は繁華街地域、繁華街・住宅混在地域・住宅中心地域に分類され、犯罪手口との関連が明らかとなった。これまで市町村(区)単位、交番管轄単位で分析されていたが、本研究によりさらに詳細な分析が可能となるだけでなく、防犯の面でも地域特性に応じた対策の検討が可能となった。 (2)防犯意識向上のための地域安全マップ作製の効果に関する調査 地域安全マップの効果は被害防止能力、コミュニケーション能力、地域への愛着心、非行防止能力の向上がある。それぞれの尺度を作成し、岩手県内農村部の一小学校児童を対象に調査を実施した。地域住民を含む地域安全活動に児童が参加し、実施前・後・3ヶ月後の能力の変化を調査し、安全活動の関与の効果について明らかにした。 まとめとして、地方における犯罪発生は都市およびその周辺部においては罪種とその地域の建物利用形態との関係により発生の態様が異なり、農村部においては地域住民の安全対策への関与により犯罪発生・抑制に差異が出ることが確認され、今後、地方における犯罪防止はそれぞれの地域特性に応じたきめ細かい施策が必要とされる。3年間に渡る本研究はその基礎的な資料を提供するものである。
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Research Products
(4 results)