2005 Fiscal Year Annual Research Report
アスペルガー症候群の発達障害に関わる情動的調整のしくみの心理学的研究
Project/Area Number |
17653074
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
須田 治 首都大学東京, 都市教養学部人文・社会系, 教授 (50132098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 京子 兵庫教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (40173877)
本郷 一夫 東北大学, 大学院教育学研究科, 教授 (30173652)
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Keywords | アスペルガー症候群 / 思春期・青年期 / 事例インタビュー研究 / 幼児用スクリーニング / 生理的指標 / 感情世界・感情体験 / 障害特性 / 生育歴 |
Research Abstract |
アスペルガー症候群ならびに、軽度発達障害は、現在進められつつある特別支援教育の重要な対象者といえる。ことにアスペルガー障害にっいては、思春期・青年期以降の発達解明が著しく遅れており、早急で活発な研究が望まれている。この研究では今年度は、アスペルガー障害の思春期・青年期の発達について、事例インタビュー研究を行い、感情体験の世界と障害特性の様相、生育過程を分析した(須田)。その結果から、予想外の結果が幾つか得られている。(a)まず個人間の情動的コニュニケーションに問題が起こっていても、個人内の感情世界が多くのケースで豊かであること。(b)多様なパターンの障害特性が示されるなかで、記憶や感覚の発達が情動と関わっていると推測され、次年度に実験的研究をすることが必要になったこと。(c)そして生育歴では、発達心理臨床的な支援機関の不足、医療的な診断の問題などが見いだされたが、とりわけ教育現場での対応の遅れは、早急に構造的な対応が必要であること、などが見いだされた。研究はこれ以外に、幼児の行動特徴から軽度発達障害の抽出に関するスクリーニング法の開発を行い、また行動パターンの分析の方法の検討を行った(本郷)。さらには発達障害児に対する情動表出の生理学的指標の事例ごとの検討を実験的に行った(松村)。
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Research Products
(4 results)