2005 Fiscal Year Annual Research Report
精神疾患により休職した教師の学校場面における発症前ストレス状況に関する探索的研究
Project/Area Number |
17653077
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
横山 知行 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (80242410)
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Keywords | 教師のメンタルヘルス / 教師のストレス / 発症前ストレス状況 / うつ病 / 病休 |
Research Abstract |
気分障害およびその関連障害と考えられる精神疾患による長期病休者・休職者を抱えた新潟県内の県立学校管理職27名に対し、休職者の発症あるいは症状の増悪に関連していると考えられる要因について、学校場面でのストレス状況を中心に面接調査を行った結果、以下のような長期病休者・休職者の類型が想定された。 1)対人関係による不適応群 以前より対人関係に何らかの問題を抱えていた者が、上司や同僚、また保護者との人間関係の中でその問題が活性化し不適応に陥る一群である。元来、自己価値観が低く被害的に物事をとらえる傾向のある者が、他の教員の何気ない一言をきっかけとして自分が蔑まされていると強く感じるため出勤することが困難となるような場合がこれに該当する。 2)業務への不適応群 従来とは異なった校務を行うことができないため、あるいは、できないのではないかという不安から不適応に陥る一群である。総合高校や特殊教育諸学校等への配置転換によって今まで行ったことがないような独自の教材準備が求められる場合や、進学校中心に転任を重ねてきた教師が、そうではない学校に配置され教科の能力とは異なった能力が要請される際に、これに応えることができず、不適応を生ずるような場合がこれに該当する。 3)バーンアウト群 完全主義傾向のある者が、なんらかの負荷(必ずしも学校内の問題とは限らない)際に、自分の思うように仕事をこなすことが困難となり、不適応に陥る一群である。 4)内因性精神障害群 特にストレスとなる要因は認められないが、古典的な意味でいう内因性精神障害の発症あるいは増悪のため休職となる一群である。 また、本年度の調査から、以下のメンタルヘルス対策上の問題点として、以下の3点が明らかになった。 1)前任校からの情報が不十分であること 2)管理職により、個々の教師のメンタルヘルスへの把握の違いがあること 3)医師との情報交換が不十分な場合が少なからず認められること
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