2006 Fiscal Year Annual Research Report
新しいタイプの単純接触効果-クールな認知とホットな認知をつなげる理論基盤の構築-
Project/Area Number |
17653088
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
寺澤 孝文 岡山大学, 教育学部, 助教授 (90272145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 奈津子 就実大学, 人文科学部, 助教授 (80322585)
井上 祥治 岡山大学, 教育学部, 教授 (00093667)
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Keywords | 社会心理学 / 潜在記憶 / 単純接触効果 / 長期記憶 |
Research Abstract |
本年度2種類の刺激を用いた実験をそれぞれ複数実施し、長期持続的な単純接触効果と潜在記憶現象が確実に検出できる実験条件を明らかにすることを目指した。 まず、これまでの研究で長期持続的な単純接触効果が検出しやすいと考えられるイラスト刺激を用いた2つの実験では、2-3ヶ月のインターバルを挿入した結果、長期的な単純接触効果の検出はできなかった。ただし、それらの実験条件とこれまでの実験条件を比較すると、イラスト刺激のなかでも、好意度の変動幅が小さい刺激(顔)を用いた方が遭遇回数の効果が得られる可能性が高まった。なお、長期持続的な潜在記憶現象は、従来と同様に検出された。 もう一つ、無作為に作成されたメロディ刺激を用いた数個の実験では、1、2ヶ月のインターバルをおいた複数の実験で単純接触効果が検出された他、間接再認テストの指標に、1、2ヶ月前の1,2回の学習効果が、非常に(極端に)大きな効果として検出されることが明確になった。 長期持続的な単純接触効果と潜在記憶現象の関係を検討する上で、ひとまず後者については、2-3ヶ月前の学習の効果を確実に検出できる実験が実施可能になったといえる。また、長期持続的な単純接触効果の現れる条件として、新たに実験参加者の年齢が関係している可能性も示された。 次年度、長期持続的潜在記憶現象を検出する条件が確定された聴覚刺激を用い、長期持続的単純接触効果を検出できる実験条件の特定に焦点をあわせた実験を実施し、両者の関係性の理論的な説明を目指す。
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Research Products
(6 results)