2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17653104
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲垣 恭子 京都大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (40159934)
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Keywords | たしなみ / 女 / 高等女学校 |
Research Abstract |
本年度は主に次の3つを中心に作業を進めた。 (1)先行研究の整理と検討 「たしなみ」概念とアプローチの明確化のために、趣味、礼儀作法に関する外国の先行研究を収集し、それらを検討することによってアプローチの方法や日本文化への適用可能性を探った。その際、類似の概念との関係、相違についても検討した。また、茶道、華道、音楽などの関連する領域の文化社会学的研究についても先行研究を収集し、その視点や方法について検討した。 (2)「たしなみ」概念・用法の整理と検討 (1)と並行して、明治後期から昭和期にかけての『たしなみ』論の収集と検討に着手した。特に、女性の教養をめぐる議論を中心に、「女性のたしなみ」についての言説の特徴についての資料を収集した。 (3)女学生の読書、稽古事についての調査研究の収集と整理 主として高等女学校生徒の読書、稽古事に関する議論と調査報告などについての資料の収集とそれらの検討に着手した。 以上の作業に基づいて、本研究における「たしなみ」型教養の定義と位置づけ、研究枠組の設定について検討を始めている。途中経過については研究会を開いて報告し、議論する機会をつくった。研究の一部は現在、論文にまとめる作業を準備中である。
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