2006 Fiscal Year Annual Research Report
青年期におけるアスリートたちの進路選択に関する基礎的研究
Project/Area Number |
17653107
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
飯田 義明 専修大学, 経済学部, 助教授 (30297072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木幡 日出男 東京成徳大学, 人文学部, 教授 (40162094)
永濱 明子 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (70382455)
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Keywords | Career Development / Career formtation / Career Orientation / Occupational Identity / Youth Football players / J-League |
Research Abstract |
本年度は、昨年作成し回収した(11チーム)質問紙の分析を行いVIth World Congress on Science & FootBallに2本の発表を行った。社会学的分析結果では、ナショナルレベル経験群と市・県選別レベル経験群との間に、またナショナルレベル経験群と選抜経験なし群との間に5%水準で有意差が認められた。要するに、選抜されるレベルが高くなればなるほど、プロ選手への志向が強くなるといえる。また、学年ごとにみたプロ志向の程度(強さ)では、1年と3年との間に、また2年と3年との間に5%水準で有意差が認められた。要するに、学年を重ねる(年をとる)ことによって、プロ選手への志向が強くなっていることがわかる。しかし、対象者のサンプル数からも伺われるように、3年生の数が1,2年生に比べ少なくなっている。これには、3年になりプロへの道が難しいと判断された選手は、大学進学等への進路変更を余儀なくなくされ、クラブを辞める選手が存在することに関与しそうであった。3年まで続ける選手は、限りなくプロ選手を目指し、サッカーに取り組んでいる選手たちの割合が非常に高いと言えた。心理学的分析では将来のキャリア志向とアイデンティティ形成にとって主要な領域である職業決定の関係を検討した。その結果、達成については、プロを志向する選手が悩んでいる選手よりも有意に高く、モラトリアムについては、プロを志向する選手が悩んでいる選手よりも有意に低いという結果であった。大学進学志向の程度と各職業決定ステイタスとの関係では、達成とモラトリアムにおいて有意差が認められた(Achievement ; F (2,258)=4.30, p<.05, Moratorium ; F(2,258)=12.25, p<01)。プロを明確に志向する選手、あるいは大学進学を明確に志向しない選手達は、他の選手たちよりも達成得点が高く、モラトリアム得点が低いことから、将来に対して具体的な展望(プロになる)を持ち、また、その決定の程度も高いことが考えられた。
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