2005 Fiscal Year Annual Research Report
文字を「書く」ことの活動に関する科学的・実証的研究
Project/Area Number |
17653120
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Research Institution | Shikoku University |
Principal Investigator |
久米 公 四国大学, 文学部・教授, 研究科長 (00110346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜本 純逸 早稲田大学, 教育総合科学学術院, 教授 (90033547)
川島 隆太 東北大学, 未来科学技術共同センター, 教授 (90250828)
生田 奈穂 東北大学, 大学院国際文化研究科, COEフェロー (20374986)
鈴木 慶子 長崎大学, 教育学部, 助教授 (40264189)
林 朋美 長崎大学, 教育学部, 教務職員 (40346945)
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Keywords | 文字を手書きする / 視写 / 聴写 / 暗写 / 計算 / 小学校6年生 / 前頭前野の血流量 / NIRS |
Research Abstract |
1.研究の目的 国語力のうち「書く」ことに関する諸活動と脳機能の活性化との相関を明らかにする。 2.本年度の研究の概要 NIRSを使用して、小学生が手書き活動を行っている際の、脳の前頭前野の血流量を測定した。 なお、小学生を対象として、近赤外計測法を利用し、書字に伴う背外側前頭前野の活動を測定したのは、本実験が世界初である。 1)被験者;長崎県雲仙市立小浜小学校の6年生(男女18名) 2)手書き活動の種類;視写(1)(漢字仮名交じり文を表記通りに視写する)、視写(2)(平仮名文中の知っている漢字を、漢字に直しながら視写する)、暗写(以前学習したことのある教材文の一節を改めて暗記し、思い出しながら書く)、聴写(MDで再生される朗読を聞こえた通りに書く) 3)比較のための活動;単純計算(足し算、引き算、かけ算) 4)結果 (1)手書き活動(全4種)を伴っている際の、大脳両側半球の前頭前野は、単純計算を伴っている際のそれよりも活性化する。 (2)各手書き活動(視写(1)、視写(2)、暗写、聴写)の間には、統計的に有意の差はなかった。 3.成果 手書き活動は、大脳両側半球の前頭前野を活性化することが証明されたので、教育において手書きすることの大切さを補完する科学的データを得ることができた。 4.次年度の課題 本研究では、手書き活動中の前頭前野のヘモグロビン量を測定したが、被験者数が少なく、さらに被験者個人の差が大きいために、統計的に安定した数値が得られなかった。このことを補強するために、被験者の書字習慣を考慮にいれたデータ採取の方法を模索することとする。
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