2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17654004
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
金銅 誠之 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (50186847)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄司 俊明 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (40120191)
伊藤 由佳理 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 講師 (70285089)
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Keywords | 代数幾何学 / 有限単純群 / 自己同型群 / K3曲面 / リーチ格子 |
Research Abstract |
$K3$曲面にシンプレクティックに作用する有限群は、複素数体上では、散在型有限単純群の一つである次数23のマシュー群の部分群で24点集合への自然な作用に関する軌道の個数が5以上のものとして特徴づけられるという、向井茂による著しい結果が知られている。一方で、正標数の場合、群の位数が標数で割り切れる場合は、正標数特有の面白い現象が起こり、向井茂による分類に現れないものが登場する。しかしながら正標数の$K3$曲面の研究は1980年代を最後に、特段の進歩は得られていない。このような状況で今年度得られた成果としては、複素数体上の向井茂の分類結果には入らない$K3$曲面にシンプレクティックに作用する新たな有限群の例をいくつか構成したことである。具体的には次数23のマシュー群の極大部分群で24点集合への自然な作用に関する軌道の個数が3であるものは$K3$曲面に自己同型として作用することを示した。特に、次数22および次数11のマシュー群が標数11の$K3$曲面にシンプレクティックに作用できる事を証明した。今後、向井茂の結果の一般化へと結びつけて行くつもりである。証明の方法は、階数24のユニモジュラー格子の理論およびOgusによる超特異$K3$曲面のトレリ型定理を用いるものである。超特異$K3$曲面のトレリ型定理を積極的に用いた結果としては初めてのものでもあり、今後の理論構成への端緒となることを期待している。
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Research Products
(2 results)