2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17654004
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
金銅 誠之 名古屋大学, 大学院多元数理科学研究科, 教授 (50186847)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄司 俊明 名古屋大学, 大学院多元数理科学研究科, 教授 (40120191)
伊藤 由佳理 名古屋大学, 大学院多元数理科学研究科, 講師 (70285089)
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Keywords | Mathieu群 / K3曲面 / 自己同型群 / Leech格子 / 有限単純群 |
Research Abstract |
標数0のK3曲面の場合には、どのような有限単純群が自己同型として作用するかはほぼ分かっている。正標数の場合には標数0では起こりえない大きな有限単純群が作用できる現象があり、この点を明らかにして行くことが研究テーマである。 今年度は散在型単純群の一つである次数23のMathieu群の極大部分群が代数多様体の一つである超特異K3曲面のシンプレクティックな自己同型として実現できる論文を雑誌に発表した。格子理論を用いた結果であるが、群の作用の幾何学的実現は今後の課題である。また標数2の超特異K3曲面のさまざまな構成方法を以前Dolgachev氏との共同研究で取り組んだが、今年度は引き続きこのK3曲面の構造を研究した。特に超特異アーベル局面の商として表したり、あるいはHesse pencilとの関係が明らかになってきた。さらに票数3の超特異K3曲面の場合にも同様の問題に着手した。この場合は、有限単純群PSU(4,3)が射影的自己同型として作用しているが、Leech格子の幾何学を用いて全自己同型群の記述問題に取り組み始めた。この曲面はフェルマー型の4次曲面として実現でき112本の直線を含んでいる。超曲面切断がワイルベクトルンの射影として、また112本の直線がLeechルートの射影として実現できることが分かった。この曲面の様々な射影モデルを構成することで全自己同型群の記述に取り組んでいる。 他方、正標数の場合のシンプレクティックな有限自己同型群の分類でMathieuの部分群としてどのような群が現れるかについても、部分的な結果を得ている。
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Research Products
(1 results)