2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17654005
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
庄司 俊明 名古屋大学, 大学院多元数理科学研究科, 教授 (40120191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
行者 明彦 名古屋大学, 大学院多元数理科学研究科, 教授 (50116026)
落合 啓之 名古屋大学, 大学院多元数理科学研究科, 助教授 (90214163)
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Keywords | 有限体上の対称空間 / Lusztig予想 / 指標層の特性関数 / 古典群 / Hecke環 / 概指標 |
Research Abstract |
Fを簡約代数群GのFrobenius写像とし、その固定点の群をG^Fとする。有限群G^{F^2}のG^Fによる剰余類G^{F^2}/G^Fは有限対称空間とみることができ、色々研究されている。特に、川中、LusztigによりG^Fの単位指標のG^{F^2}への誘導指標におけるG^Fの既約指標の重複度はすべて計算されている。この結果を利用して票数2の有限古典群に関するLusztig予想を証明することができた。ここでいうLusztig予想とは、有限簡約群の概指標と指標層の特性関数がスカラー倍を除いて一致するとの要請である。さらにそのスカラーの決定も重要な問題である。中心が連結な古典群については、筆者によりLusztig予想が示され、さらに筆者、Lusztig, Waldspurgerにより標数が十分大きい場合にこのスカラーが決定されていた。しかし、標数が2の場合には、そこでの方法は適用できない。今年度の研究ではこの問題に上記の有限対称空間に関する結果が有効に使われた。標数2の古典群の場合にcuspidalな指標層の特性関数に関する寿機の重複度が計算できてゼロでない値になる。一方で対応する概指標に対する重複度はそれまでの結果から計算できる。Lusztig予想により、指標層の特性関数と概指標はスカラー倍を除いて一致するので、これよりスカラーが決定できる。新谷descentの理論により、この種のスカラーの決定はcuspidalな指標層の場合に帰着するので、これよりG^{F^2}については全てのスカラーが決定できる。この方法が標数2の古典群についてのみ適用可能なのは、面白い事実である。 G^Fについては上の方法は適用できない。これについては、ある種の空間にG^FとHecke環の表現を構成し、そこでのある元に関するトレースが有限体qの多項式として表されることを利用して、上記のスカラーがGAFとG^{F^2}とで同じ値となることを示す。これには一般Green関数の計算が必要になるので、筆者の最近得られた標数2の古典群の一般Green関数に関する結果がkey resultとして使われた。以上の方法により標数2の古典群に対してLusztig予想に現れるスカラーを決定することができた。
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Research Products
(5 results)