2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17654006
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
梅村 浩 名古屋大学, 大学院・多元数理化学研究科, 教授 (40022678)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 茂 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (80115641)
菅野 浩明 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (90211870)
|
Keywords | 微分ガロア理論 / 差分方程式 / 特殊関数 / Painleve方程式 / Groupoid |
Research Abstract |
Galois, Abelによる代数方程式のガロア理論の成功を見て,その豊かな思想を解析学に応用しようと考えるのは自然である.微分方程式のガロア理論のを建設するアイディアは19世紀の半ばのS.Lieにさかのぼる.微分方程式のガロア理論は本質的に無限次元の理論である.これまで提出された理論は,20世紀の半ばまでに限れば,Picard-Vessiot理論,Drach理論,Vessiot理論,Kolchin理論がある.これらの内,Drach理論,Vessiot理論は無限次元の理論であり,したがって本質的であるが,我々の理解を拒んできた.これらの理論をよく理解するために我々が1996年に新しい理論を提案したのにはじまり,2001年にはMalgrange理論が提唱された.さらに近年Pillay理論,Singer理論が加わった. これらの理論の相互の関係を明らかにし,できるならば統一することが望ましい.Pillay理論とSinger理論はMalgrange理論にも我々の理論にも含まれることが判明した.さてMalgrangeと我々の理論との関係であるが,前者は解析空間上の葉層のガロア理論であり,我々の理論は微分体の拡大のガロア理論である.両者は完全に一致するものと考えていたがそうではないことが判明した.しかしながら,両者は本質的に同値であり,Groupoidを使って我々の理論を書き直すことにより両者の関係が明確になると予想される. さらに差分方程式の一般ガロア理論が完成にさらに近づいた.この理論と離散力学系および第6Painleve方程式のholonomyへの応用は重要な課題であると認識した.
|
Research Products
(3 results)