2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17654009
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小野 薫 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20204232)
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Keywords | シンプレクティック構造 / C°-剛性 / Floerホモロジー |
Research Abstract |
シンプレクティック微分同相写像がC°-位相に関して微分同相写像に収束するとき、その極限もシンプレクティック微分同相写像となるという事実は、Gromor, Eliashbergにより示された。その後、C°-シンプレクティック構造なるものがあるのではないかという期待が持たれた。ハミルトン微分同相写像群上のHofer距離は、ハミルトン関数のC°-情報で与えられることもこれを支持する事実である。今年度は、研究代表者の専門であるFloer理論の立場からのHofer幾何の研究の現状について,M.Schwarz, Y.G.Oh, M.Entov, M.Entov-L.Polterovichの成果について検討を行った。また、このような一連の研究に影響を与えたP.Seidelの研究についても、研究代表者が最近得たフラックス予想の証明と関係する部分があるので,論文を再読した。このような活動の中で,ラグランジュ部分多様体に対するフラックス予測の類似について部分的結果を得た。即、マスロフ類が消えていて,Floerコホモロジーが定義されるための障害が全く消えているラグランジュ部分多様体全体の空間のハミルトン微分同相写像群による高空間はハウスドルフ性を持つ。因みにラグランジュ部分多様体に何の制約もつけないと,一般にはハウスドルフにならないことが知られている。Floerホモロジーを用いた作用汎関数のmin-max法による研究からC°-ハミルトン系なるものの研究が開拓されつつあるという情報も最近入って来た(Oh氏)。これについても検討をして行く。 ラグランジュ部分多様体のFloer理論はサイクルレベルではなく,チェインレベルでの考察を必要とするため交叉理論のために,摂動,横断性の精密な考察が必要となる。(これは深谷氏,Oh氏,太田氏との共同研究の基盤の1つである。)我々の構成とは立場を変え,PL-チェインを用いた構成(McClure),operaclの理論を用いたもの(Wilson)もあるという情報を得た。これらについてはこれから検討する。
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