2005 Fiscal Year Annual Research Report
群の樹木への作用とThompsonの有限表示無限単純群の研究
Project/Area Number |
17654013
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
垣水 修 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 助教授 (80211150)
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Keywords | 無限群 / 群のグラフ積 / 群の曲面積 / amenable群 / ノイマン予想 / 3次元多様体の基本群 / 複雑系ネットワーク / ケーリーグラフ |
Research Abstract |
今年度は次のような研究をおこない、次のような研究実績をあげることができました。本研究は、群の樹木への作用に関して、次のような新しい可能性を切り開く事を目的としておこないました。筆者は"群の樹木への作用に付随して無限遠に現れる群"の概念を発見しました。この群は"樹木の無限遠における自己同型群"として定義されるもので、オリジナルな群の構成法です。例えば作用する群としてPSL(2,Z)を取ると、Thompsonにより発見された"有限表示無限単純群"に同型になることが証明できました。さらに、作用する群をPSL(2,Z)以外の群に取った場合にも、Thompson群と同様の興味深い性質を持った新しい群が得られるのではないかと予想されます。この目標に向かって、"群の樹木への作用に付随して無限遠に現れる群"が有限表示無限単純群になるための条件など、様々な性質を統一的に調べ上げることが、現在取り組んでいる課題であり、この研究の今後の主要な目的とするところです。このためには、群の様々なネットワークへの作用の具体例を豊富に考察する必要がありますが、まず第一に複雑なネットワークに関する理論的考察と具体例の収集が必要です。本年度の研究では、この点に関しても大きな成果が得られました。また、群の樹木への作用の研究は、3次元多様体の最も重要な不変量である基本群の研究にも大きな寄与をなすものですが、この観点からどのようなアプローチを行なえば良いか、次年度へ向けての計画を練るための基礎資料の収集を積極的におこないました。さらにこれらの研究の教育的な側面に関しても、積極的に研究活動をおこない、研究発表等をおこなうことができたことは、大きな成果であるといえます。これらの実績に基づいて、次年度においては尚一層充実した研究をおこない、研究の進展のため努力していきたいと考えております。
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Research Products
(2 results)