2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17654020
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
舟木 直久 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (60112174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
儀我 美一 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (70144110)
杉浦 誠 琉球大学, 理学部, 助教授 (70252228)
籠屋 恵嗣 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助手 (40323258)
乙部 厳己 信州大学, 理学部, 助手 (30334882)
西川 貴雄 日本大学, 理工学部, 助手 (10386005)
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Keywords | 確率論 / 解析学 / 統計力学 / 界面モデル / 流体力学極限 / 大偏差原理 / 結晶成長 / エントロピー的反発 |
Research Abstract |
舟木は特異性の一種であるピンニング効果を考慮に入れた∇φ界面モデルの研究を行った.平衡系においては,巨視的スケール極限はWinterbottom形状になり,それはある種の変分問題の解として特徴づけられることが知られている.本研究では対応する問題を時間発展の下で考察し,その運動法則を導いた.さらに,大偏差原理の速度関数が複数の最小点を持つような∇φ界面モデルについて研究を進め,精密な漸近確率評価を求めることにより,界面のGibbs測度に関する巨視的極限を決定した.関連して,統計力学や場の量子論において基本的な役割を果たすFKG不等式およびBrascamp-Lieb不等式を考察し,確率微分方程式のカップリングに基づく新たな証明を与えることに成功した.また,Bessel過程とその変形に関するWiener型確率積分の構成を行った.これは制限付きパス空間上の部分積分公式を論ずるために必要になる. 籠屋は1次元格子上で入り混じることなく互いに反射するような2種粒子系を考え,そのようなモデルから自由境界問題を導出し,さらにその平衡揺動,大偏差原理について論じた. 西川は壁によって反射される界面の上にさらにもう1枚の界面が乗り,都合2枚の界面があるときに,対応する∇φ界面モデルの無限系を構成し,その時間発展の下でのエントロピー的反発の問題を解決した.平衡系における結果は既に知られていたが,西川の結果はそれを時間発展系に拡張するものである. 乙部は西川が考えた界面モデルの連続版である確率偏微分方程式の考察を行い,上下2枚の間に反射により閉じ込められた系を考え,時間発展の構成を行った.対象は比較原理が適用できない系であるが,そのような技術的困難をうまく回避することに成功した.
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Research Products
(7 results)