2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17654021
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
田村 博志 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (80188440)
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Keywords | Random Point Field / Statistical Mechanics / Para-particle / Fredholm Determinant |
Research Abstract |
点過程の観点から、ボゾン系の高密度の場合(ボーズ擬縮系)を調べた。熱作用素の変形によるスペクトルの変化(通常の摂動とは異なる)についての詳しい評価が必要であり、この点工夫を要した。(JFA に掲載 裏面参照)また、パラ粒子の系への応用を考えた。パラ粒子系を扱う場合は、前述の場合も同様であるが、対称群の表現論を用いて射影作用素を作り、それによって1粒子状態空間のN重テンソル積から部分空間を指定しなければならない。この操作は、次数が大きくなる程複雑になる。次数1の場合は通常のフェルミオンまたはボゾンである。次数3までの場合については、すでに前年度において部分的な成果を得ていたが、今年度新たに一般の次数に対する表式を得た。結論として、パラ粒子ガスを表す確率場は、通常のフェルミオン過程またはボゾン過程の畳み込みと同分布であることが示された。(JMP に掲識 裏面参照) 今年度はさらにこの方法を用いて、弱い外場を伴うボーズ擬縮系の粒子の位置の確率分布を決定する研究に着手した。外場が弱い極限では、擬縮系の確率分布は理想気体の擬縮系の場合に比べ、さらに高密度の状態が得られることがわかった。これは、低密度の場合においては、外場が弱い極限での確率分布は、理想気体の場合と一致することと鋭い対比をなす。(論文執筆中)
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