2007 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光CTの基礎となる輸送方程式の逆問題の解の数値的再構成
Project/Area Number |
17654023
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
磯 祐介 Kyoto University, 情報学研究科, 教授 (70203065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 哲也 京都大学, 情報学研究科, 教授 (00209561)
久保 雅義 京都大学, 情報学研究科, 講師 (10273616)
藤原 宏志 京都大学, 情報学研究科, 助教 (00362583)
東森 信就 京都大学, 情報学研究科, 研究員 (10397573)
西田 孝明 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70026110)
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Keywords | 応用解析学 / 逆問題 / 数値解析 / 応用数学 / 光CT / 多倍長数値計算 |
Research Abstract |
本課題研究では、次世代医用CTの候補として近赤外光を利用した新たな断層撮影法としての「光トモグライー」を視野に入れ、この現象の基礎方程式である「輸送方程式」の逆問題解析に焦点を当てた。 光トモグラフィーは、X線トモグラフィーと比べて生体透過性と直進性では著しく劣るもの発生装置が簡単であってしかも生体への被曝がないことから、新たな医用技術としての期待が持たれている。しかし、基礎方程式の輸送方程式の数学的な解析が困難なことから、全般的には研究が遅れていると考えられる。この状況下で、この問題を応用解析の進展から研究を行ない、将来の開発研究の基礎の可否を検討することが本研究の意義であった。さらに、医療の現場ではこのトモグラフィー技術を高解像度の画像として扱うことが必要があるため、数値解析、特に逆問題の高精度数値計算についての研究を並列して行なった。 輸送方程式の逆問題解析の研究では、海洋探査の非破壊検査で輸送方程式が用いられて事例に目をつけ、先行研究の精査を行なったが、順問題の場合とは逆に、解に特異性があって方程式の拡散方程式近似ができない場合の方が、逆問題解析が容易であるという知見を得た。しかし数値解析面では、この場合の数値計算は通常の順問題の場合であっても未解決問題が多いことが分り、今後の研究の道筋をつける程度の成果しか得られていない。一方で、逆問題の高精度数値解析の研究では、これまでに代表者と分担者で開発研究を行なっていた高速多倍長数値計算環境の整備を行ない、Bessel関数などの特殊函数の組み込み化に成功するなど、大いに成果をあげることができた。この成果により、特異性を持つ輸送方程式も、安定した数値計算法が確立すれば、高精度数値計算が可能となった。さらに、最終ゴール考えていた、光トモグラフィーから派生する不連続性・特異性を持つ輸送方程式の逆問題解解析も、解の構造の研究が進めば、高精度数値計算を容易に行なえる数値計算環境が整備された。
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Research Products
(3 results)