2005 Fiscal Year Annual Research Report
超新星イジェクタにおけるCおよびSiダストの酸素に対する安定性の実験的研究
Project/Area Number |
17654041
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
橋元 明彦 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30261275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笹 隆司 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90263368)
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Keywords | 超新星イジェクタ / ダスト / 酸素 / 反応速度 / 炭素 / シリコン |
Research Abstract |
本申請課題では、超新星爆発時に放出されたガス中でのダスト形成の問題を解明する目的で制御された条件下で、酸素原子と固体炭素および固体ケイ素の反応実験を行い、ダストの蒸発・変性および分子生成の速度を測定する。更には、星形成場所の高温領域や衝撃波中でのダストの安定性およびダストとガスの反応による分子生成速度を明らかにするために、原子H,C,O混合ガスと種々の固体の反応速度測定の実験技術の確率を目指す。この目的で、平成17年度の研究においては、酸素原子源の製作を行った。 高濃度の酸素を導入するために、高温でも酸化されないPt80%-Ph20%の合金製の反応容器を設計・製作した。反応容器内部には、分子酸素を原子酸素に解離させる触媒として純粋の白金粉末を封入した。ガス流量検査を行った結果、微粉末では抵抗が大きく所要の流量が得られないことが判明した。そこで白金粉末を粒度100ミクロン程度にまで焼結した後封入することによりこの問題を解決した。また高温かつ真空に近い低圧力では、反応容器の蒸発による消耗が激しい。このため高価な合金の消耗を抑制する目的で、反応容器の周囲を部分的にアルミナ製の容器で覆う工夫を行っている。現状では、比較的大きな温度勾配の影響のため、アルミナ容器にクラックが生じている。肉厚のアルミナ管を利用して問題解決を図る。 反応ガスとしてAr+O_2またはAr+N_2Oの混合ガスを流量0.1-100cc/min.STPの定常流として高真空系に導入させる工夫を行なった。不活性ガスのArは、低流量の場合に流量を安定させるためのダミーである。当初の予想では、混合ガスの比と流量を変えることで、O_2/Ar=0.001-1.000,流量0.1-100cc/min.の範囲で変化させた場合,(例えば1800Kで乖離平衡を達成させた上で)原子酸素の分圧は、10^<-10>-10^<-4>barのレンジで精密に制御可能であった。しかし、酸素とアルゴンガスの密度の違いにより、特に酸素を低流量に制御した場合不完全な混合が生じているのではないかという疑いがある。流量の大きく異なるガスの混合を促進させる工夫が必要である。
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