2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17654045
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小林 俊雄 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30186754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大津 秀暁 理化学研究所, 研究員 (90302075)
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Keywords | 原子核構造 / RIビーム / チェレンコフ光 |
Research Abstract |
2007年度完成予定で建設が進んでるRI beam factoryでの原子核構造実験を、大立体角磁気分析器を用いて行う場合に必要不可決な粒子識別(エネルギー300MeV/A領域において、質量数100の原子核質量を5σ分離する)に必要な超高精度粒子速度測定器の開発を行った。光速度の約7割の速度を持つ荷電粒子の速度を約1/1000の精度で測定するのは、10mの飛行距離に対して約50psecの時間分解能で測定する事が必要で、大立体角磁気分析器の場合には、飛行時間法ではかなり難しい。それで全反射型チェレンコフ検出器から得られる光量測定により速度を高精度で測定する方法を考案した。この種の検出器は以前2GeV/A領域で使用された事があるが、エネルギー250MeV/A領域では1.9-2.1という高屈折率を持つラジエターを用いる必要があり、又高屈折率物質に特有な光学的分散が大きく困難が予想される。数種類のガラスをラジエターとして用い、200-350MeV/A、電荷10-36の重イオンの通過に伴うチェレンコフ光量のエネルギー依存性を測定した。TAFD30という物質を使った場合には、250-300MeV/Aの範囲で全反射敷居値付近で予想される急激な光量変化が観測され、ほぼ目標の速度分解能が得られる事を確認した。これにより、RIBFでは質量数100程度までの重イオンの粒子識別が可能になった。さらにラジエターの幾何学的形状を改善する事により分解能を向上させる予定である。
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