2005 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導-磁性複合薄膜を用いた量子化磁束の可視化と微細磁気構造の定量評価
Project/Area Number |
17654064
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
為ヶ井 強 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (30183073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 将史 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (50300885)
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Keywords | 磁気光学法 / 超伝導-磁性複合膜 / 磁束量子 |
Research Abstract |
磁気光学効果を用いた微細な磁気構造の可視化の為の磁性ガーネット膜の作製を有機金属堆積(MOD)法を用いて行った。乾燥の時間・温度、及び焼成の温度を変化させ良質な膜のできる条件を探った。磁気光学観察の為には、平坦で均一な膜が必須である。しかし、条件により膜のひび割れ等の問題が深刻であることが明らかとなった。また、1回に塗布できる膜厚が数百Åと薄いため、実用的な膜を得るには数十回程度の塗布が必要となる。今後、塗布・乾燥・焼成の完全自動化が必要である。 次に、超伝導体-磁性体複合膜の作製を行った。本年度は手始めとして、これまで磁気光学効果による観察に用いてきた磁性ガーネット膜に直接スパッター法で超伝導体であるNbを蒸着した膜を作製した。作製した磁性ガーネット-超伝導複合膜を実際に冷却したところ、超伝導に起因する反磁性を確認することができた。さらに、弱磁揚(|H|<10e)下で磁気光学測定を行ったところ、磁束量子の観測に成功した。磁気光学法による磁束量子の観測はオスロ大学のNbSe_2における観測に続き、世界で2例目である。 磁気光学イメージングでは、試料と膜の距離をなるべく近くする必要がある。これを実現するために、磁性膜を低温において、制御された力で押さえる機構を開発した。小型のバイモルフ型ピエゾ素子4個を用いて、磁性膜の4隅を押すことにより磁性膜を冷やした状態で磁気光学像が変化することが確認できた。
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