2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17654074
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
南 和彦 名古屋大学, 大学院多元数理科学研究科, 助教授 (40271530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小西 哲郎 名古屋大学, 大学院理学研究科, 助教授 (30211238)
永尾 太郎 名古屋大学, 大学院多元数理科学研究科, 助教授 (10263196)
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Keywords | 格子模型 / フラクタル / 境界条件 / 力学系 / 確率過程 |
Research Abstract |
six-vertex模型の自由エネルギーはその境界における下/左向き矢印の密度によって決定され、それがともに1/2であるとき、よく知られたLieb-Sutherlandの解が得られる。この際に制限された熱力学的極限の存在を仮定して一般の極限の存在と一意性を導くが、この仮定した極限が少なくとも有限の領域内で存在することを、Lieb-Sutherlandの具体的な解と積分方程式の構造から正当化することができた。 一方で与えられた領域を覆うdimer coveringの可能な配位の数が、この模型の分配関数の特別な場合として得られるため、six-vertex模型の自由エネルギーに関する上記の結果は、dimer問題における一つの新しいcriterionをあたえる。この結果がdieter問題についてKasteleynおよびTemperley-Fisherによって得られた結果、Cohn-Kenyon-Proppによる分類およびLieb-Sutherlandの解と無矛盾であることが確認できた。 Six-vertex模型の状態空間においてIce ruleをみたす配位の生成の規則はIFSによつて記述され、可能な配位の全体は熱力学的極限においてIFSフラクタルになる。このIFSフラクタルにおける推移性はフラクタル次元を分類するが、これは格子模型において自由エネルギーを分類するn-equivalenceにまさに対応している。さらにその自由エネルギーの温度変化を考えるとき、各状態のエネルギーに対応するのがフラクタル集合における局所次元であり、同様にフラクタルの構造の中にエントロピーの対応物も存在する。ひき続き、温度パラメータを含む対応関係を詳しく定式化し、相転移についても議論したい。
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Research Products
(2 results)