2006 Fiscal Year Annual Research Report
低周波交流磁場に対するゾウリムシの環境応答-膜チャネルの共鳴メカニズム-
Project/Area Number |
17654082
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
本堂 毅 東北大学, 大学院理学研究科, 助手 (60261575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 研 東北学院大学, 教養学部, 助教授 (50313424)
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Keywords | 電磁場 / 曝露 |
Research Abstract |
ゾウリムシをはじめとする指標生物一般の環境応答を定量的に記述するためには、環境応答としての個体行動の変化を、客観的な指標で記述する必要がある。そこで,昨年度開発したデジタル画像処理技術を用いた画像解析プログラムを用いて、ゾウリムシの行動を詳細に調べた.特に、低周波交流磁場に対する応答の予備実験として、ゾウリムシの集団行動の効果を調べた。すなわち、ゾウリムシの個体密度、及びその密度変化と、ゾウリムシの遊泳速度分布、平均速度、方向転換の頻度を調べ始めた。現在、多様な条件下で、統計的に意味のあるデータをとり続けているところである。これらのデータは、低周波交流磁場に対するゾウリムシの環境応答を記述する際の基礎データとなる。 一方、環境電磁場の生体への影響をリスク論的に議論するためには、日常生活環境中における電磁場曝露強度を明らかにしておく必要がある。そこで、携帯電話から発生する高周波電磁波(マイクロ波)の受動被曝強度を、実験およびコンピュータを用いた数値実験により明らかにした。この結果は、日常生活環境中における受動被曝強度が、旧来想定されてきたものより何桁も高いレベルに達しうること、および、反射効果によって、ホットスポットと呼ばれる局所的に高い強度領域が生じうることを示した。マイクロ波は、生活環境中電磁場のバックグラウンドとして、in vivoのゾウリムシ実験の際も影響を与えているものであり、ゾウリムシの低周波交流磁場実験を行う際にも、基礎データとなる。
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Research Products
(1 results)