2005 Fiscal Year Annual Research Report
陸域堆積物のアルミニウム26/ベリリウム10年代決定法の開発
Project/Area Number |
17654094
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
堀内 一穂 弘前大学, 理工学部, 助手 (00344614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 浩之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (60313194)
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Keywords | 地質学 / 地球化学 / 宇宙線 / 加速器 / 年代学 |
Research Abstract |
本研究の目的は,「地表生成の」放射性核種アルミニウム26(半減期71万年)とベリリウム10(半減期150万年)に基づいて,十万〜数百万年前の陸域堆積物に対する新たな年代決定法を開発することである.本年度は,世界最古の湖であるバイカル湖の湖底堆積物について,堆積物粒子の内部に保存された「地表生成の」アルミニウム26とベリリウム10を分析することに,焦点をしぼって研究を行った. 先ずは,湖底表層部の堆積物を対象に,「地表生成の」アルミニウム26とベリリウム10の定量可能性を検討した.「地表生成の」アルミニウム26とベリリウム10は堆積物中にごく微量しか含まれないことが,理論より導き出せる.従って,これらを確実に抽出するための前処理法の開発と,感度限界付近での安定した加速器質量分析法を確立する必要がある.本研究では,堆積物から砂サイズの石英を篩い分けした後に重液分離を行い,分離された石英中から段階的な化学処理によりアルミニウム26とベリリウム10を分離・精製することで,確実な抽出ができることを見いだした.また,東京大学において研究分担者とともに加速器質量分析を行い,湖底堆積物中の「地表生成の」のアルミニウム26とベリリウム10の定量に,知る限り世界で初めて成功した.既に述べたように,「地表生成の」アルミニウム26とベリリウム10の定量は,分析システムの感度限界に近い超微量分析である.購入した計算機とソフトウエアにより,検出器から直接得られた生データを統計解析し,これらの超微量分析の結果を確実なものとした.こうした成果は,来年度4月に英国にて行われる宇宙線生成核種に関する国際会議にて,発表される予定である.
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