2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17654112
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中村 智樹 九州大学, 大学院理学研究院, 助教授 (20260721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 敬介 東京大学, 理学研究科, 教授 (40131619)
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Keywords | コンドリュール / コンドライト / 静電浮遊法 |
Research Abstract |
コンドリュールとは太陽系最古の岩石であるコンドライト隕石に多数含まれる直径1mm程度の珪酸塩鉱物を主体とした球粒である。コンドリュール自体は天体が形成される以前に、原始太陽系星雲内で固体前駆物質が加熱・急冷されることで形成されたと考えられる。コンドライト隕石に多産するコンドリュールの形成・加熱機構は、太陽系の小惑星や惑星の起源を解明するという点で惑星科学の第一級の課題であるが、100年以上の論争を経ても未決着のままである。本研究では、宇宙空間の環境に限りなく近い条件でのコンドルールの再現実験を通して、コンドリュールの形成条件を解明することを目指す。本研究で採用する静電浮遊法によるコンドリュール再現実験は、圧密固結した紛体を真空中で浮遊させてレーザー加熱し溶融させるため、過去の方法のすべての問題点を解決する革新的方法である。 今年度は年度中途に研究費の交付決定がなされたので、中村と長尾で緊急に打ち合わせを重ね、静電浮遊装置を設計した。152ミリ径のステンレス製真空パイプにコバールガラスのヴュウポートをつけ、パイプ胴体部には34ミリ系の回転フランジを4箇所に取り付け、真空ゲージ、真空ポンプ、ビデオカメラ用のヴュウポートを取り付けた。底面部には、10KeV,3.6Aまで通電可能な、真空用フィードスルーを7本取り付けた。このフィードスルーの上端にコンドリュール様の物質を置き、フィードスルーを通して電圧をかけ、真空中に浮かす予定である。今年度は静電浮遊装置の基本的な部分の設計と製作で終了した。来年度は製作した装置を用いて、さまざまな工夫を重ねつつ、実験を進める予定である。
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