2006 Fiscal Year Annual Research Report
超音波キャビテーションによる液中プラズマ生成と応用のさきがけ研究
Project/Area Number |
17654117
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
菅井 秀郎 名古屋大学, 大学院工学研究科, 教授 (40005517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石島 達夫 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助手 (00324450)
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Keywords | 超音波 / ソノケミストリー / プラズマ / マイクロ波 / 廃液処理 |
Research Abstract |
真空排気システムを備えた金属容器に液体を入れ、マイクロ波(2.45GHz、3kW、パルス変調可)と超音波(20kHz,1kW)を同時に入射できる装置を試作した。これを用いて、まず、大気圧においてマイクロ波なしで超音波のみを印加したところ、ソノルミネッセンスが水溶液では観測されたが、ベンゼン液ではそれが見られなかった。しかし、ベンゼンでもマイクロ波を重畳したときにソノルミネッセンスが観測された。 次に、減圧下において超音波なしでマイクロ波のみを入射する実験を行った。すなわち、真空ポンプで排気した状態の水の飽和蒸気圧下において水泡が多数発生している状態で、マイクロ波を水中から入射すると、その水泡の中にプラズマが生成されることを見出した。その水中のマルチバブルプラズマからの発光を分析したところ、OHやHの強いラインが検出された。このことから、酸化力の強いOHラジカルが大量に水溶液中に生成されることが判明した。 このような減圧下の水溶液中のマルチバブルプラズマを利用して、廃液処理を行う実験を試みた。まず、メチレンブルーを用いたモデル実験で、800Wのマイクロ波放電で大量(8リットル)のメチレンブルー溶液が約1時間で分解されることが分かった。次に、トリクロロエチレン溶液のバブルプラズマ分解を試験したところ、同様な分解効果が見られた。 一方、大気圧条件下でも外部から気体を注入して水泡を作ってやると、マイクロ波印加により液中にバブルプラズマを生成することができた。この技術を用いれば、高速に大量の廃液を浄化できるものと期待される。
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Research Products
(1 results)