2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17655010
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
城丸 春夫 首都大学東京, 都市教養学部, 助教授 (70196632)
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Keywords | エレクトロスプレー / 多価イオン / 液滴 / 質量分析 / 誘導電荷 / 超微粒子 / ラテックス / 飛行時間測定 |
Research Abstract |
本年度は水およびメタノールを用いて、多価液滴の生成および電荷と飛行時間の計測を行った。またラテックス微粒子を用いた多価微粒子の発生と単一粒子計測実験を行った。 今回製作した装置は、大気圧の液滴発生部とスクロールポンプにより差動排気された検出部からなり、液滴発生部は高電圧を印加する注射針と対向電極をかねたスキマー、検出部は検出用電極と接地電極2枚で構成されている。多価液滴は注射針に高電圧を印加することにより発生させ、液だめと注射針の高低差により送液を制御した。電位差とガスの流れによって多価液滴を検出部に導入し、検出用電極を通過する際に粒子の帯電量に応じて検出用電極に誘起される電荷をオシロスコープで観察した。ファイバースコープにより液滴発生部の目視観測を行い、検出された信号との相関を調べた。信号強度から粒子の価数を求めたところ、10^5〜10^7価分が検出用電極に到達したことが確認されたが、信号波形の解析からこれらは単一粒子ではなく多価液滴の集団であることがわかった。複数の検出用電極で得られた信号の時間差(飛行時間)から求めた各集団における粒子の平均速度は約240m/sであり、電位配置ではなくガスの流れがイオン輸送を支配していたと考えられる。 溶媒のみを用いた実験では注射針先端で液滴が分解して多数の粒子が生成したため、単一粒子の検出は困難であった。そこで粒径1μmのラテックスを分散させて予備的な実験を行ったところ、ラテックス粒子由来と思われる信号を検出することができた。
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