2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17655013
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
坂本 健吉 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50187035)
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Keywords | ポリシラン / オリゴシラン / 包接錯体 / ミセル / 界面活性剤 / シクロデキストリン / ポリエーテル / コンホメーション制御 |
Research Abstract |
ポリシランは多数のケイ素原子が連結した主鎖と有機置換基の側鎖からなる高分子である。ポリシランの物性はその主鎖骨格の立体構造(配座)に依存して変化する。ポリシランの骨格は、柔軟であり、温度や電場など外部環境によって容易に変化するため、高感度センサーへの応用が期待されている。本研究では、光機能性材料への本格的な応用に向けて、ポリシランの性質を簡便に改善する技術を確立するため、ミセルや包接ホスト分子によりポリシランの周囲を取り囲み、外部から分子運動や配座の制御を行う。また、この目的を達成するためには、ポリシランのモデル化合物として低分子量のオリゴシラン(ケイ素数10個程度)について検討する必要がある。そこで本年度は、(a)ポリシランに対する置換基効果を系統的に検討するため、従来知られていなかった完全エチル置換デカシラン(1)の合成を行い、そのX線結晶構造解析を行った。これまで知られている完全メチル置換および完全プロピル置換デカシランのケイ素主鎖は固体中で全アンチ構造(平面ジグザグ構造)をとるが、1は規則性の低い構造をとることが分かった。(b)ドデカメチルシクロヘキサシラン(2)のγ-シクロデキストリン錯体を合成した。2は非蛍光性であるが、錯化により比較的強い蛍光を示した。(c)親水性デンドリマーを置換基とするオリゴシランの合成法を確立した。デンドリマーのような嵩高い置換基を有するオリゴシランは、サーモクロミズムが発現しにくいことが分かった。(d)親水性のポリエーテル鎖(ポリエリレンオキシド鎖)を末端に持つオリゴシランの合成を行った。
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