2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規な超分子錯体形成法を用いた分子デリバリーシステムの開発
Project/Area Number |
17655015
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
後藤 敬 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (70262144)
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Keywords | 超分子化学 / 分子デリバリー / 分子カプセル / キャビタンド / レゾルシン[4]アレーン / ホモオキサカリックス[3]アレーン / カリックス[6]アレーン / 配座異性体 |
Research Abstract |
分子を標的部位へ輸送するデリバリーシステムの開発においては、(1)標的部位における目的分子の放出を、いかに制御するか、(2)不安定な目的分子をいかに標的部位に届けるか、の2点が重要な課題となっている。本研究では、空孔の内壁に官能基を固定した分子カプセルを活用することにより、分子デリバリーシステムの新規方法論を開発することを目的として検討を行った。まず、分子カプセルの上半球部のための構成ユニットとして、深いキャビティを有する新規なキャビタンドを設計し、その合成を行った。まず、レゾルシン[4]アレーンに対してキャビティの壁となるアリールあるいはアリールエチニルユニットを任意の個数導入することで、キャビディサイズおよび立体的混雑度の異なるキャビタンドのライブラリを構築した。この合成における鍵反応であるSuzuki-MiyauraカップリングあるいはSonogashiraカップリング反応の条件最適化を行い、合成手法を確立した。さらに、キャビタンドとは対称性の異なる上半球ユニットとして、ホモオキサカリックス[3]アレーンを基本骨格とするキャビティ型分子を合成した。また、標的官能基を固定するカプセル下半球部のための構成ユニットとしては、独自に開発した架橋カリックス[6]アレーンを活用する予定であるが、その配座はcone型に固定されていることが望ましい。架橋カリックス[6]アレーンのlower rimをベンジル基で修飾することにより、それらの配座を固定できることを既に見出しているが、その際に用いる塩基・溶媒などの反応条件について検討を行うことにより、cone型異性体の効率的合成に成功した。
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Research Products
(6 results)