2005 Fiscal Year Annual Research Report
化学発光速度を指標とするリポソームの膜透過性の評価法の開発
Project/Area Number |
17655028
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
上舘 民夫 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70185990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 博文 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10271644)
石田 晃彦 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20312382)
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Keywords | 膜透過性 / リポソーム / 化学発光 / 蛍光色素 / エオシン |
Research Abstract |
1.発光速度に及ぼす膜透過性の影響 リポソームの内水相にペルオキシダーゼ(POD)を封入し、その外水相にフルオレセイン(FLH_2)と過酸化水素(H_2O_2)を添加すると、FLH^-とH_2O_2は迅速に膜を透過して内水相に到達し、内水相においてPODを触媒とする化学発光反応が進行する。そこで、リン脂質であるフォスファチジルコリンに対して0〜40%のコレステロール(chol)含量を有するリポソームにPODを封入し、発光応答曲線を測定した。chol含量が増大するにしたがって発光初期速度は遅くなった。この結果から、chol含量が増大するほどリポソームの膜透過性が減少することから、発光初期速度が膜透過性を反映していることが明らかになった。 2.POD内封リポソームのキャラクタリゼーション 0〜40%のchol含量を有するリポソームについて、リポソームあたりに内封されているPODの分子数を求め、また、リポソームの直径を測定した。その結果、リポソームあたりに内封されているPODの分子数は約1200であり、リポソームの直径は約600nmであることが明らかになった。 3.発光速度に及ぼす化学発光試薬の影響 リポソーム膜の組成が一定でも、化学発光試薬の構造により、透過速度が変化し、それに伴い発光速度が変化することが考えられる。そこで、FLより分子量が大きいジブロモフルオレセインおよびエオシンYを用いて発光応答曲線を測定した。その結果、分子量の違いが発光初期速度の違いに反映されないことがわかった。しかしながら、エオシンYを用いたとき、発光初期速度の再現性が最もよいことが明らかになった。
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Research Products
(1 results)