2006 Fiscal Year Annual Research Report
グアノシン高次会合構造の形成制御とバイオ分析への応用
Project/Area Number |
17655029
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺前 紀夫 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (70114569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西澤 精一 東北大学, 大学院理学研究科, 助教授 (40281969)
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Keywords | グアノシン誘導体 / 化学センサー / 高次会合体 / 水素結合 / 液晶 / 相変化 / クレアチニン |
Research Abstract |
分子認識液晶を開発するために、液晶分子の配向制御部位および、分子認識部位を併せ持つグアノシン誘導体を長鎖アルキル基を有するアゾベンゼンを置換基として新規合成し(6AG)、その機能を評価した。その結果6AGのリボン型自己集合体が7CB液晶分子の配向を制御しうる水素結合型液晶構造の構築を達成した。さらにこれを臨床的に必須な測定基質であるクレアチニン検出に適用しうることを見出した。 ネマティック液晶相を示す7CB単体に対して、6AGモル比の異なるブレンド試料を4種(約5,10,15,30mol%)作製し、偏光顕微鏡観察を行った。その結果、低6AG比の試料ではfinger print組織が、高6AG比の試料ではlamella組織が観察されることから、それぞれキラルネマティック(N^*)液晶相およびスメクティック相(Sm)液晶相が発現していることが分かった。低6AG比でのN^*相発現には、6AGの糖部位由来の光学活性が関与しているものと考えられる.一方、Sm相の発現は6AGリボン型自己集合体形成に起因するものと考えられる。顕微IRスペクトル測定による検討では、カルボニル吸収帯が低波数シフトすることから、グアニン間の水素結合形成が示唆された。また、X線構造回折測定から層構造の存在が支持され、さらに得られた層の周期構造(55.9Å,38.9Å)は,分子モデリングによる6AGの自己集合体の分子サイズとよく一致した。以上により、6AGの相溶比を変化させることにより、7CB単体では発現しえない液晶構造を構築した。 約30mol% 6AG/7CBのSm液晶について、そのクレアチニン検出機能を検討した結果、クレアチンやグルコース、尿素などの妨害基質には画像変化を全く示さないのに対し、クレアチニンに対して明瞭な画像変化を示すことが分かった。
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