2005 Fiscal Year Annual Research Report
曲がるDNAを用いた信号変換素子の構築と分析化学的応用
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17655036
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
井原 敏博 熊本大学, 工学部, 助教授 (40253489)
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Keywords | DNAコンジュケート / 金属配位性アミダイト試薬 / ターピリジン / 高次構造制御 / 熱的安定性 / オリゴヌクレオチド |
Research Abstract |
ターピリジンユニットをDNA骨格に導入するためのアミダイト試薬を合成した。まず、ターピリジンの両端のピリジン環にWiliamson合成によりエーテル結合でグリコールを導入してジオール体とした。このうち片方のアルコールのみをトリチル保護し、最後に残ったアルコールをアミダイト化することで目的とするアミダイト試薬を合成することができた。 次にDNA自動合成装置を用いてターピリジン構造を骨格内に有するDNAコンジュゲートを合成した。ターピリジンアミダイトは通常のヌクレオチドアミダイトで溶媒に用いられるアセトニトリルには十分な濃度で溶解しないため、溶媒としてジクロロメタンとの混合溶媒を用いた。それでも、通常のアミダイトより濃度が低くならざるを得なかったため反応性が劣ることを想定して、自動合成装置内でのカップリングでターピリジンを組み込むステップにおいては、通常のカップリングよりも2倍の時間をかけた。その結果、良好な収率でカップリングが進行し、目的とするDNAコンジュゲートを合成することができた。HPLCで精製後、質量分析装置で同定した。 合成したDNAコンジュゲートは、二本鎖を形成した際に、ターピリジンがステム部分にくる様に設計したものと、分子内で三本鎖を形成する際にターピリジン構造がそのループ部分を成すものである。現在までに、これらDNAが形成する特定の構造の安定性に対して特定の金属イオンはたいへん大きな影響を与えることがわかってきた。
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