2006 Fiscal Year Annual Research Report
ビホスフィンを用いたラジカル反応による新規リン原子導入反応の開発
Project/Area Number |
17655039
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大嶌 幸一郎 京都大学, 工学研究科, 教授 (00111922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
依光 英樹 京都大学, 工学研究科, 助手 (00372566)
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Keywords | ラジカル / ホスフィン化 |
Research Abstract |
第二級アルコールから誘導されるキサンテートを出発物質として、ビホスフィンを用いたラジカルホスフィン化反応に取り組んだ。既に反応自体が進行することは見出しており、反応条件の精査を行うことで、対応するアルキルジフェニルポスフィンが良好な収率で得られることが明らかとなった。しかしながら、最適条件で用いたキサンテートは合成が困難であった。そこで、入手容易な有機ハロゲン化物のラジカルホスフィン化反応の検討を先に行うこととした。その結果、ハロゲン化アリールのホスフィン化が良好な効率で進行することが明らかとなった。すなわち、ハロゲン化アリールのベンゼン溶液に対して、ラジカル開始剤、トリエチルアミン、クロロジフェニルホスフィン、およびトリス(トリメチルシリル)シランを加え、還流条件下で反応を行った。その結果、アリールジフェニルホスフィンが良好な収率で得られた。本反応は温和な条件下で進行するために、従来法では合成が困難な種々の官能基を有するアリールジフェニルホスフィンが合成可能となる。また、クロロジシクロヘキシルポスフィンを用いることで、アリールジシクロヘキシルホスフィンの合成も可能である。イミダゾール-1-カルボチオ酸アルキルのラジカルホスフィン化をハロゲン化アルキルに適用すると、目的物であるアルキルジフェニルホスフィンの収率は中程度にとどまってしまう。そこで、キサンテートに代わる出発物質の探索を行った。その結果、第一級および第二級アルコールにチオカルボニルジイミダゾールを作用することで容易に得られるイミダゾール-1-カルボチオ酸アルキルが本反応に最適であることが明らかとなった。イミダゾール-1-カルボチオ酸アルキルを用い、上記ハロゲン化アリールの場合と同様の反応を行うことで、目的のアルキルジフェニルホスフィンが良好な収率で得られた。
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Research Products
(1 results)