2005 Fiscal Year Annual Research Report
自己組識化して活性を発現する天然物アンフィジノールの全合成と分子複合体の構造解析
Project/Area Number |
17655041
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大石 徹 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90241520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 道雄 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40183652)
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Keywords | 全合成 / 分子プローブ / 同位体標識 / 天然物 / 自己組織化 / 生物活性 / 脂質二分子膜 / 固体NMR |
Research Abstract |
アンフィジノール3(AM3)は,渦鞭毛藻から単離された強い抗真菌活性を有する天然有機化合物であり,2個のポリヒドロキシテトラヒドロピラン部分,長鎖ポリエン部分,および長鎖ポリオール部分から成る特徴的な構造を有する。AM3は,自己会合(自己組織化)によって分子複合体(チャネル複合体)を形成し,細胞膜に穴をあけることで強力な抗真菌活性と溶血活性を発現すると考えられている。本申請者は,AM3が,親水性のポリヒドロキシテトラヒドロピラン部分をポーラーヘッドとした糖脂質類似構造を持つことから,疎水性のポリエン部分を外側に,親水性のポリオール部分を内側に向け,ポリオール部分が分子間水素結合によって親水性ポアを形成すると予想している。しかしながら,AM3によって構成される分子複合体の構造は,現在のところ全く明らかになっていない。その大きな理由のひとつとして,膜中での分子構造解析法が,現時点では十分に開発されていない事が挙げられる。そこで本申請者は,まず,AM3の脂質2分子膜中での3次元構造解析を行う事を目的とし,^<13>Cおよび^<19>Fで標識したAM3(分子プローブ)を化学合成し,^<13>C{^<19>F}REDOR測定により分子内での長距離核間情報を得ることにした。平成17年度は,フッ素標識化オレフィン部分の合成を検討した。プロパルギルアルコールからハイドロスタネーションによりビニルスズを合成し,続く酸化によりアルデヒドへと変換した。得られたアルデヒドに対し,フッ素の入ったリン酸エステルを用いたHorner-Emmons反応によりフッ化オレフィンへと誘導した。さらにDIBALで還元後,得られたアルコールをStilleカップリングによりヨードオレフィンと連結した。
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Research Products
(3 results)