2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17655046
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
大久保 恒夫 山形大学, 工学部, 客員教授 (70026194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 剣 山形大学, 工学部, 助手 (60333994)
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Keywords | 沈降散逸構造パターン / 対流散逸構造パターン / 乾燥散逸構造パターン / コロイダルシリカ粒子 / 緑茶コロイド / ブロードリング / ミクロパターン / 時計皿 |
Research Abstract |
粒径が1μm、550nm、305nmおよび160nmのコロイダルシリカ分散液を自然乾燥する過程において発現する沈降および乾燥散逸構造パターンを近接デジタル写真撮影や光学顕微鏡観察により系統的かつ詳細に調査できた。ガラスシャーレ、カバーガラス、時計皿等のセルを用いて直視観察した。ブロードリングを基本とする沈降および乾燥のマクロパターンが観察された。電気二重層の効果が観察されるとともに、シリカ粒子とNaClとの協奏的なパターン形成が明らかになった。また、水と粒子の対流が室温においても予想外に顕著であることが判明した。更に、セルによってパターンが変化することが観察された。これらの研究成果は4報の論文としてColloid Polymer Scienceに発表出来た。 また、ティーバックに入った緑茶を湯の入った茶碗中で振って入れた緑茶が室温中で自然乾燥するに伴って発現する沈降および乾燥散逸パターンについて詳細に調査した。緑茶粒子が茶碗壁に沿って上昇する対流と緑茶粒子の茶碗壁に沿った重力沈降との拮抗によって、傾斜した茶碗の壁面でブロードリング状の沈降散逸パターンが発現することを明らかにした。また、顕微鏡観察により美しいミクロパターンも観察された。 更に、粒径が1μmのコロイダルシリカ粒子のエタノール分散液が、シャーレや時計皿、カバーガラス中で沈降、乾燥散逸構造を発現する様子を解析するとともに、美しくダイナミックな対流散逸パターンを発現することを観察した。液表面とバルク温度との差が大きく、重力対流とマランゴニ対流とが激しく起こりダイナミックに変化することが明らかになった。論文の出版が今年度中になされた。 また、大きさの異なるシリカ粒子を用いた2成分および3成分混合系での沈降および乾燥パターンの観察を行った。パターン解析により分別パターンが発現し、混合比や粒子の大きさや形を同定分析できることが明らかになった。将来の新規なコロイド粒子の分析法の創生として注目している。現在、論文に纏めている。 以上、沈降散逸パターンの概略が本研究により明確になり、現在進行中の基盤B研究へと発展できた。
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Research Products
(18 results)