2005 Fiscal Year Annual Research Report
炭酸ガスを原料とするポリマー材料の合成とケミカルリサイクルシステムの構築
Project/Area Number |
17655047
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
遠藤 剛 山形大学, 客員教授 (40016738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 秀晴 山形大学, 工学部, 助教授 (00262600)
落合 文吾 山形大学, 工学部, 助手 (20361272)
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Keywords | 炭酸ガス / 高分子合成 / 環境材料 / リサイクル |
Research Abstract |
二酸化炭素を原料として低環境負荷材料を構築するために、二酸化炭素を原料として得られる五員環カーボナート構造を側鎖に持っ種々のポリマーの合成を行った。二酸化炭素を原料として一分子内に五員環カーボナートと六員環カーボナートを持つモノマーを合成し、その開環重合を検討したところ、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセンを開始剤とし、適切な温度と濃度条件を選択すれば六員環構造のみの重合が進行し、得られたポリマーは高効率での解重合によるケミカルリサイクルが可能であった。ポリマー側鎖に残存した五員環カーボナートはアミンとの反応による様々な官能基変換が可能であり、その他の五員環カーボナート構造を持つポリマーの反応にも応用することが出来た。また、二酸化炭素の同族体である二硫化炭素を原料としたケミカルリサイクル性材料の合成についても検討したところ、二官能性ジチオカーボナートの開環重合が開始剤、温度、溶媒などの条件を選択すれば異性化を伴いながら良好に進行し、対応する架橋体を得ることが出来た。この架橋体をt-ブトキリカリウムなどの適切な塩基触媒で処理すると定量的な解重合が進行し、モノマーの異性体が定量的に回収されるというケミカルリサイクルシステムを構築することが出来た。通常の架橋体は解重合が困難であることが多いが、本系では平衡が存在しないケミカルリサイクルであるために高効率でモノマーの異性体を回収することが出来たと考えられる。
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