2006 Fiscal Year Annual Research Report
人工タンパク質による炭酸カルシウム/高分子複合体の構築と構造制御
Project/Area Number |
17655048
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 隆史 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (70214377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守山 雅也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (90334317)
長澤 寛道 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60134508)
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Keywords | 無機 / 有機複合材料 / バイオミネラリゼーション / 自己組織化 / 炭酸カルシウム / 人工タンパク質 / 環境材料 / 高分子 |
Research Abstract |
物が鉱物を作ることをバイオミネラリゼーションという。代表的なバイオミネラルとして歯や骨、貝殻真珠層や甲殻類の外骨格などがある。我々は本研究において甲殻類(アメリカザリガニ)の外骨格より単離した石灰化に関与するタンパクCAP-1を用いて人工的に炭酸カルシウム/キチン複合体の作製およびその配向制御に成功した。CAP-1の存在下、キチンマトリクス上に炭酸カルシウム結晶を成長させると、一軸に配向した薄膜結晶が成長することを見出した。また、組み換えタンパクや合成オリゴペプチドを用いて対照実験を行い、70残基目のリン酸部位が表面モルホロジーに重要な影響を与えていること、CAP-1中央部にあるキチンと特異的に結合する部位(リバース・リジフォードコンセンサス配列)が、一軸に配向した薄膜結晶の形成に必要であることを見出した。本年度は、巨視的な配向を目指し、液晶性高分子の配向性に着目した。液晶性キチン誘導体のフィルムにせん断を引加して得た配向キチンマトリクスを結晶成長の基板に用いたところ、ポリアクリル酸存在下、内部に長さ80μm、直径10μm程度のロッド状の炭酸カルシウム(カルサイト)がキチンマトリクスの配向に沿って形成した。内部に成長したロッド結晶は、微結晶の集合体であり、さらに結晶c軸をマトリクスの配向にそろえて成長していた。キチンマトリクスの巨視的な配向が炭酸カルシウム結晶成長のテンプレートとして働いた事を示している。すなわち有機・無機双方が配向した新しい複合材料の開発に成功した。
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Research Products
(4 results)