2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17655051
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
青島 貞人 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50183728)
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Keywords | リビングカチオン重合 / 超高速リビング重合 / 添加塩基 / ルイス酸 / 四塩化スズ / 塩化鉄 / ビニルエーテル / 刺激応答性ポリマー |
Research Abstract |
新しい機能の発現や、特異的な自己組織体をつくるため、構造や分子量の制御された高分子を、極めて短時間の反応時間(1秒程度)で合成する方法を検討した。これは、新しいリビング重合活性種への学術的な興味と、ごく短時間での大量合成への実用上の面からの検討である。指針としては、リビング活性種の安定化と対イオンの安定化を行うことを考え、種々のルイス酸を用いたリビング重合開始剤系を設計した。その結果、ルイス酸(ハロゲン化金属)の種類としては、従来のAl以外に、Fe,Ti,Sn,Ga,In,Zn,Zr,Hf,Bi,Si, Ge等のハロゲン化物がリビング重合を可能にし、しかもルイス酸の種類により重合挙動やリビング性が大きく異なることがわかった。例えば、FeCl_3では(他に比べ、環境への負荷が小さいルイス酸)、リビング重合に非常に有効であり、エーテル系添加塩基を用いると、数〜十数秒で単分融に近い分子量分布のポリマーを得ることが出来た。一方、SnCl_4では、同様な条件で2分程度、さらに添加塩基の塩基性を下げることにより、わずか1秒ほどでリビングポリマーを得ることが可能になった。この際、試薬の撹拌及び除熱が大きな問題になり、重合方法自体も新たに検討した。一方、この系はモノマーにアミドなどの極性基を有していても、副反応を起こさず重合することがわかった。このモノマーは従来のAl系では全く反応が進行しなかった系であり、このSnCl_4/添加塩基系で初めで重合が開始するようになり、アルキルビニルエーテルとの共重合では分子量分布の狭いポリマーが得られた。これらの重合系は、今後、さらに新しい刺激応答性ポリマーを得るための新機軸となりそうである。また、合わせてこの系の機構解明も始めた。
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Research Products
(5 results)