2005 Fiscal Year Annual Research Report
フォーカスマイクロ波を用いた超高密度自己組織化単分子膜(SAM)の新形成法
Project/Area Number |
17655053
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
魚崎 浩平 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20133697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高草木 達 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30359484)
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Keywords | マイクロ波合成 / 自己組織化単分子層 / シリコン単結晶 / 金単結晶 |
Research Abstract |
今年度は10月から研究が開始されたため、12月までは装置の購入・立ち上げに研究時間を費やした。動作確認後、シリコン半導体単結晶表面上におけるマイクロ波照射下での有機分子層形成について検討を行った。具体的には水素終端化したシリコン(111)単結晶表面を、末端に不飽和結合を有する長鎖アルキル分子であるオクタデゼン中に浸漬し、マイクロ波(2450MHz,最大300W)を照射することで系を加熱し、オクタデシル単分子層を形成した。結果、通常の油浴加熱による熱反応(200℃)では2時間以上かかる分子層形成反応が、マイクロ波照射(200W)では30分程度で完了し、マイクロ波による加熱によって反応が迅速に進行することがわかった。しかしながら、期待していたほどの反応時間短縮にはつながらなかった。この理由として、反応分子であるオクタデセンは誘電率が小さいために、ほとんどマイクロ波を吸収せず、系の温度上昇にあまり寄与していないことが考えられる。実際、オクタデゼンのみにマイクロ波を照射したところ、温度上昇はごく僅かであり、シリコンを共存させることで飛躍的に温度が増大した。以上の結果から、シリコンがマイクロ波を吸収し、シリコン表面の近傍が局所的に瞬間加熱されることで分子層形成反応が進行していることが明らかになった。今後、マイクロ波強度を変える、オクタデゼンを誘電率が高い溶媒に希釈する、シリコンのドープの種類・密度を変えることで、反応時間の短縮や超高密度膜の形成を試みる。また金上の自己組織化単分子層形成についても同様な検討を行う。
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