2005 Fiscal Year Annual Research Report
『巨大分子』ポリオキサメタレートの機能化および材料化
Project/Area Number |
17655054
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中村 貴義 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (60270790)
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Keywords | POM / Keggin / 磁性 / LB膜 / クラウンエーテル / 超分子 |
Research Abstract |
アニオン性のポリオキソメタレート(POM)と、有機アンモニウムおよびクラウンエーテル等を組み合わせ、嵩高いカウンターカチオンを導入することで、孤立状態のPOMを含む結晶を作製した。POMして典型的なKegginを用いた。その結果、数種類の結晶を得ることが出来た。得られた結晶について、X線構造解析(既存)を行い、構造を評価した。予想通り、Kegginは孤立しており、それを反映して、Curie的な磁性を示した。 典型的なドーナツ型POMに長鎖アルキルアンモニウムをカウンターカチオンとして導入し、薄膜化を行う。あらかじめ塩を合成し、それを用いて単分子膜を形成させ、LB法により薄膜を得た。また、スピンコート法により薄膜を作製し、これらの膜について、AFM等により構造評価を行った。 POMに存在するモリブデンイオンの一部を鉄イオンなどに置き換えることで、POMに磁性・導電性等の機能を付加することを目指した。通常のPOMにおいてはモリブデンスピン間に反強磁性的な相互作用が存在するため、磁気機能の発現はあまり望めない。一部のイオンを置換することで、巨大分子内に磁気モーメントを生じさせ、分子内の金属イオン間に強磁性的あるいはフェリ磁性的な相互作用をもたらす。本年度は、磁性イオンを共存させ、POMの合成を試みた。今のところ、骨格にヘテロな金属を導入することには成功していないが、磁性イオンをカウンターカチオンとするPOM結晶を幾つか得た。現在、構造評価を行っている。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Molecular Rotor of Cs_2([18]crown-6)_3 in the Solid State Coupled with the Magnetism of [Ni(dmit)_2]2005
Author(s)
T.Akutagawa, K.Shitagami, S.Nishihara, S.Takeda, T.Hasegawa, T.Nakamura, Y.Hosokoshi, K.Inoue, S.Ikeuchi, Y.Miyazaki, K.Saito
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Journal Title
J.Am.Chem.Soc. 127
Pages: 4397-4402
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[Journal Article] Metal-Organic Thin-Film Transistor (MOTFT) Based on a Bis(o-diiminobenzosemiquinonate) Nickel (II) Complex2005
Author(s)
S.Noro, H.C.Chang, T.Takenobu, Y.Murayama, T.Kanbara, T.Aoyama, T.Sassa, T.Wada, D.Tanaka, S.Kitagawa, Y.Iwasa, T.Akutagawa, T.Nakamura
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Journal Title
J.Am.Chem.Soc 127
Pages: 10012-10013
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